SSブログ
未来予想 ブログトップ

未来を読む 1 [未来予想]

企業が収益構造を強化する上で人件費を抑えることは重要である。現段階において利益成長性が高い企業は、①内外価格差を活用するか、②内々価格差を活用するか、何れの方法を使って劇的に人件費を削減することに成功している。内外価格差の活用は、いうなればオフショアつまり国外の低賃金労働者の活用によるものである。内々価格差の活用は国内の人件費格差を活用したものだ。国の統計によると92年から02年の10年間の間に新卒の正社員採用は20ポイント以上減少している。正社員以外で採用された大部分がフリーターとなっていると考えられる。正社員の生涯年収は約2億5千万円であり、一方フリーターは約5000万円である。国内においても生涯平均で五分の一の労働市場が形成されているのだ。現在25~35の世代が大きな塊として低賃金労働者層を形成していると思われる。現在、この世代が結婚適齢期に入り、かつこの親の世代が定年を迎えるという二つの現象が同時に起こりつつある。 この親の世代は、相続財産、企業年金、退職金などで(特に団塊の世代では批判が顕著であるが)十分な貯蓄があると統計でも十分読み取ることができる。ところが、この子供の世代の稼ぎが急落するために将来的には貯蓄を子供に対して使わざるを得ないのではないかと思われる。この大きな塊に対して施策として社会保障を国が行うシナリオは考えにくい。国も地方自治体も負債を抱えているからだ。そうなると、施策としては、派遣企業等に対して社会保障費を含めた給料に関するガイドラインが強化される可能性が高くなると思われる。つまり人材派遣業を活用した内々価格差を活用した収益強化モデルの成立が難しくなるということだ。日本の製造業の中にはプロセスのモジュール化などによって工場の従業員のほぼ100%を派遣社員で運営している企業もある。このような企業には、①賃金格差を活用した高収益モデルが成立しなくなること、②モデル自体を社会問題とされネガティブキャンペーンの標的にされることなどリスクを抱えている。


未来予想 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。