ルービン回顧録 [政治]
- 作者: ロバート・ルービン, ジェイコブ・ワイズバーグ
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
本屋で平積みになっていたのできになっていたが日曜日の日経新聞に推薦されていたので買って読んでみた。
メキシコ危機の話からはじまるが、おおよそこんなくだりがある。
アメリカの企業は資本市場で調達したカネ、事業で設けたカネから発展途上国の企業に投資を行なう。この時点でどちらもB/Sに計上されております。発展途上国の企業は、先進国からの投資資金によって設備投資などモノを先進国から購入する。その結果、先進国の売上が上がる。途上国のB/Sから先進国企業のP/Lに移ったわけだ。この結果、アメリカの輸出のおおよそ40%をメキシコなど発展途上国が買っている。
先進国の企業は途上国企業に投資を行う。投資はB/Sにのるので減損処理をしない限り損益に影響はない。投資された企業は先進国企業に対して売上げをつくる。売上げが上がった先進国企業は株価を上げ資本市場から資金を調達する。そしてまた途上国に投資する。
この構図はどこかで見たことのある構図だ。ねずみ講だ。
このねずみ講が崩壊するのはいつか。ひとつは、投資先がつぶれることであり、もうひとつは株価が下がって投資のための資金を市場から吸収できなくなることだ。
国のデフォルトはもはや一国の問題ではなく。どこに影響をおよぼすかわからないほど複雑性を増している。影響を受ける国自身がそのことを認識すらできないことも起きうる。
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